2021年6月13日(日)礼拝式次第と説教 「暗闇に光り輝く」

2021年6月13日

日曜日の10時半からインスタグラムでのライブ配信(生中継)」をしています。
日曜日の午後からYouTube(ユーチューブ)で礼拝の録画映像が見られます。当面、ライブ配信と録画の掲載を継続いたします。それぞれ、見る方法が違いますので、お知らせ、礼拝欄の「礼拝の映像を見る方法」を参考にしてご覧ください。

礼拝 2021 年 6月 13日(日)
司式 役員
奏楽 浅井 義子

前 奏
招 詞    マタイによる福音書5章16節
讃 美 歌   352-3節 〝来たれ全能の主〟
交読詩     詩編67編2-6節
祈 祷
讃 美 歌   55-1節 〝人となりたる神のことば〟
聖 書    フィリピの信徒への手紙2章12-18節(新約363頁)
説 教    『暗闇に光り輝く』  伝道師 佐藤 倫子
讃 美 歌   528-2節 〝あなたの道を〟
信仰告白   〝使徒信条〟
献 金
主の祈り
派遣の賛美  90-1節〝主よ、来たり、祝したまえ〟
祝 福

 

 

説教 2021年6月13日(日)
「暗闇に光り輝く」   伝道師 佐藤 倫子
フィリピの信徒への手紙2章12-18節

 

■恐れおののきつつ

パウロは、その生涯の中で、3度にわたって海外への大きな伝道旅行をしています。2回目のときに初めて、アジアから、エーゲ海を渡って、ヨーロッパに行きました。ヨーロッパでの最初の伝道の地がフィリピだったのです。フィリピは、パウロが訪れた時は、マケドニア東部最大のローマの植民都市で、東西交通の要所でした。フィリピは、現在はギリシャ共和国の北東部に位置する東マケドニア地方にあるピリッポイという町で、ブルガリアの国境近くに位置しています。
パウロから福音を伝えられたフィリピの教会は、それ以後、パウロと親密な関係を保ち続けます。そのような関係性の教会宛にパウロが書いた、この4章からなるこの短い手紙には、「喜び」という言葉が16回も用いられ、イエス・キリストにある喜びで満ちた内容であるところから、「喜びの書簡」とも呼ばれています。
この手紙の中で、愛するフィリピの教会の人たちに、パウロは語りかけています。あなた方の信仰生活の目標は何ですか。あなた方は、何を目指して信仰生活を送っているのですか、と。
この問いに対する答えを、パウロは12節で記しています。

「恐れおののきつつ、自分の救いを達成するように努めなさい」(フィリピの信徒への手紙2章12節)

この「恐れ」というのは、救いを獲得するのが困難だから、恐怖を味わいなさい、ということではありません。わたしたちは常に自分で何かを考えながら行動します。だからこそ何かが起これば、それに対する不安が必ず首をもたげます。しかし、パウロは、それはすべて神ご自身が人間のうちに働いてくださることの結果に過ぎないと言うのです。
ですから、その神の働きを受け止める人間の側の意識を、より強く持つことが必要とされる、ということなのではないでしょうか。それは、神の絶対的な支配に自らを委ねていく、という信仰のあり方が求められているとも言えるでしょう。
あなたにはすでに救いが与えられている。だから、すでに救いを与えられた者が信仰の実を実らせることによって、すべての人に救いがもたらされる。それが、神の求めておられる生き方なのではないでしょうか。

 

■神の計画のうちに

かつて、イスラエルの民は神に対して不平を漏らしてばかりでした。自分の思い通りにならない神に不満を持っていました。それは歴史上の過去の出来事ではありません。神に仕え、神と共に歩むと約束し、救いを確信しているはずの教会でさえも、人間の理屈で神への非難が起こりました。いや、今も起こっています。ただ神に対して従順であること。それが神への証しであり、それをこの世に証ししていく歩みこそが、最も大切なのです。
それゆえ、信じる群れであるわたしたちには、新しい命と新しい使命とが与えられています。新しい使命が何であるかは、それぞれが考えなければなりません。ここに教会があり、ここにわたしがいるのは自分の願いだけではありません。すべては神の計画のうちにあります。この世にあって自分に与えられた使命を探すということは、神のご計画を探すということに他ならないのです。

 

■暗闇に光り輝く

「よこしまな曲がった時代の中で、非のうちどころのない神の子として、世にあって星のように輝き、命の言葉をしっかり保つでしょう」(フィリピの信徒への手紙2章15-16節)

「暗闇に輝く光」として、わたしたちはこの地上にいます。それは、自分で、自分の力だけで輝いているのではありません。わたしたちに与えられ、わたしたちの内で働く聖霊がわたしたちを輝かせてくださるのです。

見た目にはきらびやかで、明るく見えるこの世界。美しい光に満ちているように思えるこの社会。しかし、実際には、独善と虚栄と欲望に充ち満ちた生活が繰り広げられています。
わたしたちはこの地上にあって、すべての人々と一緒に、そのただ中に生き続けたいと願います。暗闇の中でこそ、わたしたちは輝くのですから。

 

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